ランドセルの選び方

どんな点に注意してランドセル選びをしたらいいの?

ランドセルはお子様が毎日使うもの。
毎年多くの商品がお店やネット、最近ではテレビ等でも盛んに宣伝されるようになりました。
ここでは冷静に「どんな点に注意してランドセル選びをしたらいいか?」をお話します。

92%が日本製

現在、販売されているランドセルのほぼ92パーセントが日本製です。ですから、例外もありますが、どこのランドセルをお求めになっても多分6年間は使えると思います。

今や牛革製ランドセルは貴重品?

ランドセルには天然の革製(牛、馬等)と合成皮革製があります。
残念ながら現在では80%超が合成皮革製だと言われています。
革製は天然素材のため、裁断にも製造にも工程が多く、手間の掛ることや熟練の職人の減少もあって次第に少なくなってきているのが現状です。殊にコードバンは輸入量も少なく、ますます貴重です。

天然の革製は重い!と言われますが

確かに合成皮革製の中には1000g程度の軽さの物もあります。
牛革製はどんなに減量しても1200gを切るのは無理でしょう。素材そのものが違うのですから仕方ありません。さらに凝った仕事をすれば重くなるのは必定。 仕事と重さの間を行き来するのが工人の悩みです。
牛革製には自然素材のよさがあります。 200gの重量の差で「お子様が知らないうちに天然素材に触れる機会!!」を失ってほしくないと思っています。

手作りのランドセルは質感が違う!

ネットのおかげで日本中のランドセルのHPを閲覧して品定めと勉強ができる時代ですが、できればお近くのデパートなどで実際に手に取って試されることをお勧めします。ぱっと見にはどの商品もラベルやデコレーションで飾られていて、ただ右往左往するだけですが、落ち着いて目と指先を駆使してタッチすれば、「手造りのランドセルは質感が違う!」ことがお解りになると思います。

どこを見て、どこに触れば判るのか?

まずお店の一番値段の高いランドセルを見つけて近寄ること。そして背中などの太い糸の縫い目に注目します。目の粗さ(細かさ)と糸の締まり具合を見て(指をそっと当てると糸が締まっていれば太糸が指に触れません)まず採点!

ベルトと下ベルト

次に肩ベルトをそっと指で挟んで堅さ(腰)を確認してください。 次には下ベルト。見過ごされがちですが下ベルトは一番ダメージを受ける部品です。「この作りで6年間大丈夫だろうか?」という気持ちで確認してください。
我々工人は昔から「持ち手に金をかけた鞄はいい鞄!」と言って精進したものです。「肩ベルト」がさしずめ「持ち手」にあたります。
しっかりしたランドセルには6年どころか10年も持つように愚直な仕事がしてあるものです。

カブセのミシン目も

ミシン目も大量生産品と手造り品と比べると違いがはっきり出る点かもしれません。太糸の所でもお話ししたように、ミシン目でも糸がしっかり締まっているかどうかもチェックポイントです。 大量生産をしようとするとどうしても目の間隔を大きくしたいもの

信用のおける店にめぐり会う

インターネットの普及で多くの専門店やメーカーがホームページを開設し、お客様は自由にいろんな店を訪問できるようになりました。 私も同業他社のホームページを時々覗くことがありますが、物作りにかける姿勢や考え方はそのままホームページにも表れてくるものです。 商品に対する自信やこだわりも画像や説明の中に表れます。 じっくりそのあたりを観察するのもよいかも知れません。
ランドセルの出来るまでを紹介するページも用意しました。

じっくり検討してください。

ランドセルは買い替えのできない物、6年間使う大切な物です。じっくり検討されて、後悔のないランドセル選びをされるよう願っています。